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ENTRY #79
ASK映像祭2007
Date: 07.08.30 PM04:25

京橋にあるギャラリー「ASK?」で、「ASK映像祭2007」が開催されている。この映像祭には、毎年企画で関わっている。
映像祭そのものは8月20日からはじまっているのだが、今日から3日間、プログラム上映が行われる。

詳しくは↓
http://www2.kb2-unet.ocn.ne.jp/ask/2007/eizo07web.htm

このなかで、映像のコンペティションがあり、わたしも審査員で加わっている。コンペの総評というのを書いたので、以下に載せておく。

              ※

映像コンペティション総評

 ASK?映像祭の映像コンペティションも今年で四回目である。今年の受賞作品は、前年と比べてレベルが高かったと思う。応募総数は、例年通り必ずしも多くないものの、個性的な作品が集まっている。ささやかなコンペティションではあるが、独自なスタンスを確立しつつあるといえよう。
 結果的に加藤隆の「around」が大賞となった。線画によるアニメーションで、主人公の男の一日をめまぐるしい展開で見せつつ、幻想的イメージを随所に盛りこんでいる。3分の短い時間のなかに濃密な作品世界をつくりだしている。
 西村智弘賞となった横田将士の「いくえみの残像」は、技法が独創的である。薄い板に連続写真を貼り付け、それを積み重ねていくアニメーションである。板上の日常的な光景が動きつつ、板の積み重ねが猫の立体を構成していく。この手法は、もっと展開できる。より効果的に活用を望みたい。
 ASK?賞となった孫干景の「築地市場」は、水面に写った景色を逆さまにしたカメラで撮影している。この手法はめずらしくないものの、築地市場という舞台がおもしろく、撮影も達者である。アイデア勝負の作品だが、この作家の映像センスは確実である。
 久里洋二賞となった上甲トモヨシの「雲の人、雨の人」は、雲と雨を擬人化し、この二人が出会うことによって雨が降るまでを描いている。ほのぼのとしたファンタジーで、さほど独創的な作品ではないが、よくまとまっている。
 梅沢和人の「眼が生きる」は、線画のアニメーションで、モノトーンの独自の幻想世界をつくっているが、作品としてのまとまりに欠けるのが惜しい。「LOST UTOPIA」の水江未来は、力量のあるアニメーション作家で、アダムとイブの話を描いた今回の作品も力作である。しかし、デザイン的なところが作品を表面的なものにしている気がする。西村祐美の「ちちにっき」は、父親と娘の交流をほのぼのと描いたアニメーションで好感がもてるが、キャラクターの造形も含めて少々インパクトに欠ける。神田智哉の「water cycle」は、フルCGの抽象的アニメーションで、水の質感もうまく表現して技術的な完成度は高い。しかし、この種の作品はありがちなのでより独自な展開を望みたい。山中理恵の「巡りあう」は、人体に映像を投影してイメージをつづっている。センスのある美しい映像だが、少々とりとめがない。小鷲研理の「運動する眠り」は、凝った映像なのだが、テーマといまひとつかみ合っていない気がする。Pecoraped(杉殿育恵・西尾都)の「迷走赤ずきん」は、赤ずきんちゃんのパロディで、なかなか芸が細かく技術的にも達者であるが、いまひとつ独創性に欠ける。ALIMOの「LEE ZO」は、それなりに自分の世界をもっているが、はっきりいって稚拙で、テーマもよく伝わらない。

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