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西村智弘 (評論家) の記事一覧 (10 件)
ENTRY #1
展覧会を見た話。
Date: 06.12.24 PM06:43

青山美術クラブ、発足おめでとうございます。
もう投稿ができるようなので、さっそく試してみます。

といっても、大して書くことがないので、今日見た展覧会を報告します。

東京国立近代美術館でやっている「写真の現在3 臨海をめぐる6つの試論」を見てきた。今日が最終日なので、あわてて駆け込んだ次第。最終日であったせいか、なかなか人が来ていた。
展覧会のほうは、悪くはないがいまひとつという感じ。それぞれの写真家のアプローチはそれなりにおもしろいのだが、おしゃれにまとめたという印象でインパクトが薄い。

竹橋まで行ったので、ついでに茅場町にあるギャラリー「Gallery≠Gallery」(前にギャラリーJinのあった場所)まで足を伸ばす。ここでは「福田尚代×成瀬美朝」展が行われている。これは、なかなかおもしろい。
福田さんは、わたしが年に一回企画展を担当しているギャラリーマキで、数年前に展覧会をしてもらったことがある。いまは、銀座のギャラリー覚で毎年展覧会をしている作家だ。
わたしが福田さんに会ったのは、もう十年以上前で、『美術手帖』で展評を担当していたときに取り上げたのが最初。このときは回文を出品していた(彼女は回文の天才である)。
今回は、消しゴムを削ったシリーズを出していた。前にも見たことがあるが、場所が変わると展示の仕方も変わって新鮮に見える。
成瀬美朝さんは、小さな蟻をたくさん描いて具象的な絵をつくってしまう作家。小さな絵画作品が並んでいるのだが、そこに描かれている蟻のあまりの小ささに唖然としてしまった。

展覧会は12月31日までやっているので興味のある方はぜひどうぞ。

ENTRY #15
初期ビデオアート再考
Date: 07.01.28 PM07:59

2006年1月に名古屋で「初期ビデオアート再考」展という展覧会が開催された。これは、日本の60年代、70年代のビデオアートに焦点を当てた展覧会なのだが、そのカタログが昨年末にやっと出た。

わたしはこの展覧会を見ていないのだが、カタログには、わたしがかつて書いた「『ビデオひろば』と日本のビデオアート」という論文が掲載されている。

なかなか充実したカタログで、日本のビデオアートを語る上で欠くことのできない資料である。このカタログのお得なところは、DVDがついていること。これまでなかなか見る機会のなかった代表的なビデオアート作品を見ることができる。

このカタログはなかなかの労作であるのだが、しかし、日本の初期ビデオアートに興味をもつひとがどれだけいるのだろうか、とも思う。まあ、地味なジャンルですね。

せっかくカタログができたのに、どうやったら手に入るのだろうと思っていたら、am K.Y.というところが2,900円(税込)で販売しているのを最近知った。

詳しくは、以下のホームページを参照してください。
http://amky.org/japanese/news/release.html

ENTRY #70
アーツ・チャレンジ2008
Date: 07.07.22 PM10:38

昨年に続いて、「アーツ・チャレンジ2008 新進アーティストの発見 inあいち」の美術部門の審査員を務めることになった。

これは、愛知県が主催している美術の公募展である。
前回の応募は、愛知県ゆかりの作家に限られていたが、今年は全国規模になった。

応募できるのは39歳までで、作品の形式は自由。
入賞すると、制作費30万がもらえて、愛知芸術文化センターあるいは愛知県陶磁資料館で展示ができる。入賞できるのは15名である。

7月の19日から募集がはじまっている。締め切りは9月20日まで。
だれか応募する人いないですかね。

詳しくは↓

http://arts-challenge.com

審査員は、五十嵐太郎(建築評論家)、市川政憲(茨城県近代美術館館長)、加藤義夫(インディペンデント・キュレーター)、西村智弘(美術評論家、映像評論家)、宮村周子(編集者・美術ライター)です。

ちなみに、昨年の「新進アーティストの発見 inあいち」は、第一回目としては大成功であった。
かなり急な募集であったのに思ったより応募があったし、(ほとんどが愛知県内での話しだけれども)主要な新聞やテレビなどで取り上げられたからである。
担当の人が、通常の企画展でもこれだけメディアに取り上げられることがないといっていたほどだ。
ただし、愛知県内で話題になったのには理由がある。それは、入賞者の飯田陽子さんの作品「ナナちゃん物語」のせいであった。
飯田さんの企画は、名古屋駅のシンボルである巨大マネキン「ナナちゃん」を愛知芸術文化センターにもってくるというものであったのだが、普段は動かない「ナナちゃん」が移動するというので話題になってしまったのであった。
恥ずかしながらわたしはよく知らなかったのだが、愛知県のなかでは「ナナちゃん」はとても有名でなのであった。

「ナナちゃん物語」はともかく、昨年の「新進アーティストの発見 inあいち」は、全体に質が高く、おもしろい展示でしたよ。

ENTRY #79
ASK映像祭2007
Date: 07.08.30 PM04:25

京橋にあるギャラリー「ASK?」で、「ASK映像祭2007」が開催されている。この映像祭には、毎年企画で関わっている。
映像祭そのものは8月20日からはじまっているのだが、今日から3日間、プログラム上映が行われる。

詳しくは↓
http://www2.kb2-unet.ocn.ne.jp/ask/2007/eizo07web.htm

このなかで、映像のコンペティションがあり、わたしも審査員で加わっている。コンペの総評というのを書いたので、以下に載せておく。

              ※

映像コンペティション総評

 ASK?映像祭の映像コンペティションも今年で四回目である。今年の受賞作品は、前年と比べてレベルが高かったと思う。応募総数は、例年通り必ずしも多くないものの、個性的な作品が集まっている。ささやかなコンペティションではあるが、独自なスタンスを確立しつつあるといえよう。
 結果的に加藤隆の「around」が大賞となった。線画によるアニメーションで、主人公の男の一日をめまぐるしい展開で見せつつ、幻想的イメージを随所に盛りこんでいる。3分の短い時間のなかに濃密な作品世界をつくりだしている。
 西村智弘賞となった横田将士の「いくえみの残像」は、技法が独創的である。薄い板に連続写真を貼り付け、それを積み重ねていくアニメーションである。板上の日常的な光景が動きつつ、板の積み重ねが猫の立体を構成していく。この手法は、もっと展開できる。より効果的に活用を望みたい。
 ASK?賞となった孫干景の「築地市場」は、水面に写った景色を逆さまにしたカメラで撮影している。この手法はめずらしくないものの、築地市場という舞台がおもしろく、撮影も達者である。アイデア勝負の作品だが、この作家の映像センスは確実である。
 久里洋二賞となった上甲トモヨシの「雲の人、雨の人」は、雲と雨を擬人化し、この二人が出会うことによって雨が降るまでを描いている。ほのぼのとしたファンタジーで、さほど独創的な作品ではないが、よくまとまっている。
 梅沢和人の「眼が生きる」は、線画のアニメーションで、モノトーンの独自の幻想世界をつくっているが、作品としてのまとまりに欠けるのが惜しい。「LOST UTOPIA」の水江未来は、力量のあるアニメーション作家で、アダムとイブの話を描いた今回の作品も力作である。しかし、デザイン的なところが作品を表面的なものにしている気がする。西村祐美の「ちちにっき」は、父親と娘の交流をほのぼのと描いたアニメーションで好感がもてるが、キャラクターの造形も含めて少々インパクトに欠ける。神田智哉の「water cycle」は、フルCGの抽象的アニメーションで、水の質感もうまく表現して技術的な完成度は高い。しかし、この種の作品はありがちなのでより独自な展開を望みたい。山中理恵の「巡りあう」は、人体に映像を投影してイメージをつづっている。センスのある美しい映像だが、少々とりとめがない。小鷲研理の「運動する眠り」は、凝った映像なのだが、テーマといまひとつかみ合っていない気がする。Pecoraped(杉殿育恵・西尾都)の「迷走赤ずきん」は、赤ずきんちゃんのパロディで、なかなか芸が細かく技術的にも達者であるが、いまひとつ独創性に欠ける。ALIMOの「LEE ZO」は、それなりに自分の世界をもっているが、はっきりいって稚拙で、テーマもよく伝わらない。

ENTRY #83
一家に一冊? 日本近現代美術史辞典
Date: 07.09.08 PM11:16

やっと出ました。
東京書籍の『日本近現代美術史辞典』。4年前から着手されていた企画で、いったいいつになったら出るのやらと思っていたのだった。

江戸時代から現代までの美術の流れを辞典にしたものである。

監修は多木浩二と藤枝晃雄で、執筆者多数。

わたしもちょっと関わっていて、「芸術とテクノロジー総論」「メディア・アート/ハイテクノロジー・アート」「写真と美術」の3つの項目を担当している。

どんな本かは、↓を見てください。
http://books.yahoo.co.jp/book_detail/31942800

辞典だから当然のごとく、分厚いになっている。
しかも値段が、9975円。高いね。誰が買うのだろうか。

細かいところでは文句をつけたいところもないわけではないが、日本の近現代の美術の流れをこれだけ詳しくたどった本が今までになかったのは確かである。とくに彫刻に関する詳しい歴史はなかなか貴重ではないかと思った。
この辞典が近現代美術史のオーソドキシーになるのであろうか。

ENTRY #100
四耕会の冊子
Date: 07.09.25 PM02:16

京都にあるギャラリー16の坂上しのぶさんから冊子が送られてきた。
タイトルは、「四耕会 1947年~1956年頃 前衛陶芸発生のころ」。
これは、同名の展覧会に合わせてつくられた冊子である。

実をいえば「四耕会」のことはよく知らなかったのだが、前衛陶芸の先駆的なグループであるらしい。
そのグループを回顧する展覧会がちょうどいまギャラリー16で開催されている。

詳しく資料を集めた冊子で、四耕会の来歴をたどっている。労作であり、たいへん貴重な資料である。

ところで、この冊子がわたしのところに送られてきたのには理由がある。
冊子の一番最後に、「京都の戦後自主上映の概略」というのがあって、このなかにわたしがかつて『あいだ』に連載していた「日本実験映像史」の一部が引用されているのである。

なぜ、現代陶芸の冊子のなかに「自主上映」の記述が入っているのか。
それは、京都の実験映画の自主上映に早くから前衛陶芸の作家が関わっているからなのであった。そして、ギャラリー16は、60年代から70年代にかけて美術家が映像作品を発表する拠点であった。

陶芸と実験映画とは妙なめぐりあわせである。
もともと日本の実験映画には、いろいろなジャンルの人が関わっているけれども、陶芸家が実験映画をつくったのは京都だけだろう。

「京都の戦後自主上映の概略」も非常に詳しい記述で、貴重な資料となっている。

ギャラリー16では、展覧会の会期中に当時の映像作品も上映する予定であるという。見に行きたいけど、ちょっと京都は遠いなあ。

ENTRY #137
フリッカーナイト
Date: 08.02.20 PM09:56

2月24日(日)、写真美術館で行われるイベント「映像をめぐる7夜」の 第4夜「フリッカー・ナイト」に出演しますのでお知らせします。映画の上映&トークです。

詳しくは、以下を参照。

http://www.enjoytokyo.jp/OD004Detail.html?EVENT_ID=116961

「フリッカー」とは明滅のこと。
「フリッカー・ナイト」では、明滅の映画を集めて上映します。
チラシには、次のように紹介されてます。

「フリッカー」とは、光や像の明滅によって生み出される視覚効果のこと。知覚への直接的な刺激を与える手段としても多用されたが、1997年のいわゆるポケモン事件以来タブー視されてもいる。今回は、フリッカーの代名詞的な作品から、隠れたフリッカー作品までを特集上映。挑戦的で希少な機会、貴方はどこまで見つめ続けることができるか?

ついでにリーフレットに書いた文章もあげておきます。


表現としての明滅(フリッカー)

 1998年の「ポケモン事件」は、透過光によって緑と赤を明滅(フリッカー)させたことに原因があったといわれる。しかし、少なくとも映像作品のなかで明滅は、つねに表現手段として使われてきた。このことは『ポケモン』の場合も例外ではない。明滅は表現なのであって、この点を無視して明滅を語ることはできない。
 商業映画の場合、基本的に明滅は視覚効果として使われている。サスペンスやホラー映画に用いられる明滅は、不安や恐怖を象徴していることが多い。明滅は、コマ単位で挿入される点でアニメーションの問題に関わっているし、明度の異なるショットをつないでいる点ではモンタージュ(編集)の問題でもある。
 クーベルカの『アルヌルフ・ライナー』やコンラッドの『フリッカー』のように明滅だけで成立した実験映画も存在する。しかし、クーベルカとコンラッドでは、明滅に対する関心が異なっている。クーベルカの作品は、黒と白というもっとも単純なショットによる究極の編集表現であって、映画の構造的(分析的)なアプローチである。一方、コンラッドの関心は、潜在意識の覚醒にあって、明滅によるトリップが期待されている。
 明滅の歴史は古く、そのあり方は多様であって、今日の映像作品にも受け継がれている。「フリッカー・ナイト」では、新旧の明滅作品、明滅に関連した作品を集めている。ささやかな試みだが、「表現としての明滅」を改めて考える機会となるだろう。


実をいうとけっこう過激なプログラムです(内容ではなくて、明滅の刺激が)。
当日は、倒れる人がいないことを願ってます。

ENTRY #152
「生まれつつある現在」と「松本三和」展
Date: 08.06.09 PM08:38

自分のかかわっている展覧会がはじまるので、お知らせします。

ひとつは、「生まれつつある現在2008 5人の作家による」。

出品作家は、梅津庸一、ジャンボスズキ、城野詠一、高松太一郎、立原真理子、期待の新人を集めた展覧会です。
O JUNの発案による展覧会で、西村も作家選定にかかわってます。

会期は、6月10日 ~ 6月23日です。
詳しくは、以下のホームページを参照ください。

http://www.bumpodo.co.jp/

もうひとつは、Gallery FURUYAで開催される「松本三和」です。

これは、絵画の展覧会です。この展覧会のためにギャラリーがリーフレットを出すのだが、そこにわたしが文章を書いています。

会期は、6月16日~7月5日
ギャラリーの場所は、以下を参照ください。

http://gallery-furuya.com/index_j.html

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